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就活特集2003 特別インタビュー

前編(2)

――自分のやりたいことは、ぼんやりとですが、あります。しかし、そこから職業を決める段階になると迷っている人が多く見受けられるのですが?

そうではなくて。職業を決めることが目的なのではないですよね?職業というのはその人にとっての一側面でしかないのですから。多くの学生は「自分は○○になるんだ」と言って、職業を決めることが本当にゴールだと思っていると思います。また周囲も、「どの会社に行きたいんですか?」と聞く。しかし、職業を決めることが最終目標なのではありません。自分の人生のコンセプト、テーマを決めることが大事なのであって、それがたまたまとある職業で実現できるかできないか、を考えるのが流れだと思います。

職業は人間の単なる一側面でしかなく、重要なのは「自分の人生のテーマは何なのか」「自分はどのような生き方をしたいのか」ということ。それを自分なりに自覚することのほうがよっぽど大事です。だって誰だってその方向性やテーマというのは持っているのですから。持っていない、ということは無いんです。気づけるか気づけないか。自覚するかしないか。その差でしかないと思っています。人は誰でもその人だけの「タレント」を持っている、と思っています。

大学も会社も、場でしかない

――確かに、就職するということは何か職業に就かなければいけないことだ、と思っていた節があります。しかし、「本当にやりたいこと」と言われると少し立ち止まってしまいます。自分にはそれがあるんだろうか、って。

20年生きてきたんだったら生きてきたなりに何か感じているし、考えている。それを表現すればいいだけのことです。ただし、それは一体何なのかということは、自分ひとりで考えていてもはっきりとは見えてこないと思います。他人と相対化することでしか自分の位置は見えてこない。他者との距離感の中で、全体マップの中での自分の立ち位置が見えてくるのだと思います。だから自分は何をしたいのか、どうしたいのか―最初はわがままと思われてもいいから―とにかく表現することがすごく重要ですね。

むしろ自分が「こうしたいんだ」という思いが無いと、社会との関わり方、自分の立ち位置、自分なりのエッジが見えてこないから、結果的に「どうしたらいいかわからない」という表現になってしまうんですよ。それを見つける・つかみとることへのチャレンジをしていない学生が多いかな、と思います。結局それは自分自身との向き合いでしかないですから。

しかし、自分が本当にやりたいことを表現するのは難しいです。自分が思っていること、考えていることを適切に他人に伝えることほど難しいことはない。それは訓練しないと無理です。自分はこうしたいって思って言っても、全く誤解されて伝わっていることがありますからね。そういうつもりで言ったわけではないのに、違った意味で捉えられてしまい、その表現から自分が更に困惑してしまうこともあるのだと思います。だから難しい。


前編: 2 中編: 後編: 

→就活特集2004
→就活特集2003

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