後編「旅の末に見えたもの」
放浪するという経験を経て、何が変わりましたか。
楽観的になりました。型にはまらない生き方を知ったことで、何が起きても何とかなると思えるようになりました。
そのためか、就職に関してもあまり焦りを感じていません。他に放浪している人の中には、典型的な人生を歩んできたという人が結構いました。それは、このままでいいのかという不安がきっかけということでした。レールのうえに乗っかる前に海外経験できたことは本当によかったです。
いろんなことに楽観的になったことは、大事なことを軽く流してしまう危険性もありますが、自分では他の人とは違う一つの特性だと思っています。
では具体的にどんなことができるようになりましたか。
目に見えるような変化はありません。ただ行き当たりばったりの生活だったので、思考の瞬発力、自分で考え自分で処理する主体性、度胸が身につきました。
それから、人と違うことをしたということがプレッシャーになり、ひねりのある考え方をしようと思うようになりました。つまり考えるときに少し距離をおいてみたり、変わった考え方をしようと思うようになりました。
この経験は語学留学などと違って直接何かの役に立つわけではないので、いかそうとかは考えていません。自分の中での自信になりました。
反省があれば教えて下さい。
語学と各国の文化などについてもっと学習しておいたらよかったと思っています。事前に調べたことにこだわりすぎて、知識が固定観念化するのも良くないと思いますが。言葉が全く分からない国では、身振り手振りで分かる程度の浅い情報しか得ることができません。だからせっかく外国に行っても、その国の文化の背景などが分かりません。こんな習慣があるんだなとわかっても、どうしてそのような習慣があるのかわからないんです。
また現地の人ともっと会話する努力をすればよかったです。最初のうちはなるべく話すようにしていましたが、だんだん自分から話さなくなっていきました。初めて会う人からは必ず「おまえはどこからきたんだ」といったことを聞かれますから、私としては何度も同じ受け答えを繰り返すことになるわけです。すると徐々に会話の新鮮さがなくなっていくのです。積極的に会話していれば、もっと言葉が分かるようになり、人間関係における対応性も身についたでしょう。
これから放浪する人へのアドバイスをどうぞ。
まず女性一人で放浪するのは薦めません。七月から二月までで、日本人での長期旅行者で二十代女性を見たのは10人程でした。
次に、行く時は何を求めていくかで旅の仕方が随分変わってきます。観光で外国に行く場合でも何を持ち帰るかという目的意識が大切です。
それから近い海外に行くなら船をお勧めします。時間はかかりますが安いし、いろんな人が乗っていて面白かったです。
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