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輝く人05

石川詔雄氏 名前
筑波メディカルセンター病院長
         石川詔雄氏
生年
1945年
趣味
釣り・ガーデニング・ジョギング

人生の中でのターニングポイント

ドイツに留学したときです。当時、小児外科医として手術などの訓練と敗血症性ショック(注1の研究していました。しかしドイツでは成人患者さんを対象に敗血症性ショックを研究しており、そこで小児から成人に方向転換しました。また、研究、診療に対して正確な時間、厳密な研究姿勢で大変勉強になりましたね。


現在、どんなお仕事をされていますか?

 病院の運営と診療をしています。私たちの病院には3つの理念があって、それは「患者さんの人権を尊重する」「質の高い医療を提供する」「地域の医療者との連携をはかる」です。

 国は効率的な医療の提供を進めています。当院の役割としては、地域の診療所や病院との医療連携を推進することです。重症の救急疾患や外傷の患者さんやがん患者さんなどに対して診断や治療などの急性期の医療を提供しています。そこで、当院の治療成績を公開することが地域の医療機関との医療連携を進めるうえで大切なんです。そのためには、質の高い医療を提供する必要がありますよね。
質の高い医療とは、患者さんの人権を尊重しつつ、医者だけでなくその他の職種の医療者がそれぞれの専門領域から医療を提供することです。具体的には、看護ならば看護部、医者は診療部、リハビリテーションは診療技術部というように。それぞれの職種が独立して連携をとりながら責任を持って医療を進めることです。なにも医師の下で看護師や技師が働くのではなく、平等の立場で各職種はそれぞれの分野のスペシャリストとして患者さんに専門医療を提供することが大切です。それゆえ各職種の医療者には大きな責任が生まれます。このようにして病院全体も質を上げてゆきたいと考えています。

一昨年から「市民健康講座(注2」も開催していらっしゃいますよね。

 国は各病院の役割を決めていますが、患者さんはどんな病気でもメディセン(注3に直接来てしまうんです。病院というのは市民のほうから見ると全部同じように見えるらしいです。病気になったら大きな病院に行けばいいと思っている市民が多いようです。風邪くらいなら開業医の先生、肺炎など重い病気をメディセンが診るなど、役割分担をもう少し知ってもらいたい。もう少し開業医の先生を活用してもらいたい。少しでもいいから病気・医療のことを知ってもらって、「こういう症状があったら開業医の先生に相談しましょう」というメッセージを出していきたいと思って、市民健康講座を始めました。

つくば市の医療について、今後どのようなことが必要だと思われますか?

 患者さんを地域全体で看ていくことが必要だと思います。例えば、脳梗塞でも始めのうちはメディセンで診て、ある程度よくなったら療養型の病院や自宅に戻って開業医の先生に往診してもらうとか、開業医の先生は自分の受け持っている地域の患者さんに、生活習慣病の予防をしてあげるとか、地域全体で役割分担をしながら看るということが重要です。それは医療費節約や効率的な診療につながりますしね。

 今年度からメディカルセンター病院と筑波記念病院といちはら病院の3つが核となって地域のリハビリテーションの支援をやろうとしているんですが、どこの病院、どこの診療所、どこの老人施設に行けばリハビリテーションの療法士がいるのか、というマップを作ろうとしています。マップ作りにつくば市も参加しているから、つくば市のほうからも情報が患者さんに流れる。情報が流れれば訪問リハをするとか、近くの施設から来てもらってリハビリをする、というような対応ができるようになるでしょう。

つくばという街についてどう思われますか?

 つくばには、公私含めて約80の研究所があるといわれています。日本の科学を担っている人たちが働いていて、なおかつ旧来からの農村があり、農村の良さと近代的な研究学園都市が一緒になっているところが、良いところだと思います。昔からあるものと近代的なものが共存することで良い環境が生まれます。

 気候は温暖だし、平野だからジョギングやスポーツで気分転換もできて、自然もあるから研究するのにも適しています。研究者がひとつの場所に集まって住んでいるから共同研究も生まれやすいんです。

学生へメッセージがあればお願い致します。

 大学内だけでなく、研究所の方々の話を聞いてくるといいと思いますよ。研究員ですごく素晴らしい考えをもっている人がたくさんいます。それも研究所は全て自転車で行ける範囲でしょ。研究所にしても、自分たちの研究の話を聞きに来てくれるのは嬉しいものです。だからぜひ行ってみるといいですよ。

この間はスポーツジムで一緒になる研究者が、温暖化の原因が地球の周期的な変化か、排気ガスや人口増加の結果なのか調べているという話をしていて、今度デンマークの研究所と共同研究するということを着替えながら話していましたよ(笑)。つくばはそういう世界規模の話ができる人たちがいるので素晴らしい。学生もそういう方と話せる機会がたくさんあるのでいろいろ行ってみると良いと思います。

  • 注1 敗血症性ショック…体の中に細菌が入ることで、体が過剰な反応を起こすことで敗血症が起こる。 侵襲が大きいと自己の組織破壊が起き、循環障害・臓器障害となってあらわれて、敗血症性ショックとなる。 これによって、強い全身症状と各重要臓器障害が起こる。敗血症ショックの死亡率は約40%。
  • 注2 市民健康講座…筑波メディカルセンター病院が、月1回国際会議場にて、市民向けに開催している 無料の健康講座。
  • 注3 メディセン…筑波メディカルセンター病院の略称。

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